東京都練馬区の住民が、隣にできた保育園の園児の声がうるさいため平穏に生活する権利を侵害されたとして、園を運営する会社を相手に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は、住民側の上告を棄却すると決定した。
これにより、一審、二審での判決通り住民側の敗訴が確定したことになる。
2020年6月の一審東京地裁判決は、07年4月の開園から2年ほどは国基準を上回る騒音レベルが散見されたが、園庭の使用を控えるなどして抑制され「受忍限度を超えていたとは認められない」とし、住民側の請求を棄却。21年3月の二審東京高裁判決も一審判決を支持した。
一方で、子供の声を騒音として捉える考え方が少数派ではなくなっている事実も存在する。「禁止看板だらけの公園」をはじめ各地の公園や保育園などで近年、「子どもがうるさい」との苦情が相次いでいるのだ。多様性を容認し様々な価値観を良しとする風潮から、声を上げやすくなっている現状もあるのかもしれない。
以前には、国会で「子どもの声を騒音ではないとする法律」の必要性が話題になったこともある。