衆議院選挙では、小選挙区で落選しても比例代表によりゾンビ復活するのはなぜ?ゾンビ議員一覧

2024年10月27日に衆議院議員選挙が行われました。

今回の衆議院選挙では、自民党への逆風を受け、大物議員や現職閣僚の落選が相次いだ一方、いわゆる裏金候補の当落は明暗が分かれました。

中でも、小選挙区で落選した議員が比例代表にて復活当選した場合を『ゾンビ復活』と呼ばれ話題になっています。その詳細を分かりやすく解説したいと思います。

現在の衆議院議員選挙(以下、衆院選)は、『小選挙区比例代表並立制』という制度が取り入れられています。これが導入されたのは、1994年のことでう。完璧な選挙制度というものは存在しませんが、小選挙区比例代表並立制の下では、小選挙区で敗北した候補者が「復活当選」する現象が繰り返されており、“ゾンビ復活”への疑問も少なくありません。

では、小選挙区比例代表並立制とは、どのような仕組みなのでしょうか。

衆院選では、有権者は1人2票を持っています。1つは投票用紙に候補者名を書く「小選挙区選挙」、もう1つは政党名を書く「比例代表選挙」です。衆議院議員の定数は現在465人で、このうち289人は小選挙区で、176人は比例代表によって選出されます。小選挙区比例代表並立制とは、この小選挙区選挙と比例代表選挙という2つの選挙を同時に実施する制度を指します。

先ほど説明した通り、小選挙区選挙とは、1つの選挙区で1人の議員を選ぶ選挙です。それぞれの選挙区で最も多くの票を獲得した人が当選します。ただ、それぞれの選挙区内では有権者の数が違うため、都市部と郡部の選挙区では当選者の得票数に大きな差が生じます。こうした「1票の格差」を是正するため「区割り」の変更が随時、行われています。

比例代表選挙で有権者が選ぶのは「政党」です。投票用紙には政党名しか書くことができず、政党に所属していない者は比例代表に立候補することはできません。各政党は事前に比例代表で立候補する者に順位を付け、その名簿を選挙管理委員会に提出します。

名簿に載せる候補者の順位は、政党の裁量で自由に決めることができます。当選させたい候補を上位にすることが多く、有名人や長老、絶対に落とせない党の要人らを上位とするケースが大半です。また、それぞれの地域事情により、小選挙区から立候補できなかった人を上位に載せるケースもあります。

現行の比例代表選挙では、小選挙区にも比例代表にも立候補できる「重複立候補」が認められています。そのため、「小選挙区で落選したのに、比例代表で復活当選する」という結果を生むことにつながっています。

以上が『ゾンビ復活』の仕組みというわけです。

さて、2024年10月27日に行われた衆議院議員選挙における比例代表選挙で復活当選した各政党別の議員数と復活当選した議員の一部を紹介します。

自民 59

民主 44

維新 15

公明 20

共産 7

国民 17

れいわ 9

社民 0

参政 3

みんな 0

保守 2

安死 0

【ゾンビ当選 議員の一部】

*重複立候補しており、過去当選回数の多い人を抜粋してみました

(自民) 御法川信英氏、佐藤勉氏、永岡桂子氏、山際大志郎氏、三谷英弘氏、長島昭久氏、伊藤達也氏、斎藤洋明氏、勝俣孝明氏、工藤彰三氏、寺田稔氏、平井卓也氏

(民主) 寺田学氏、武正公一氏、岡島一正氏、津村啓介氏

(維新) 杉本和巳氏、市村浩一郎氏

以上に挙げたのは一部ですが、小選挙区で落選=国民が選ばなかった人物が、こうして比例代表により復活し政治家として活動していくことには少し疑問が残ります。

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